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2009年06月16日
恐れと癒し
恐れと癒しは、対極にあります。
恐れ=不安。
癒し=安心。
不安と安心が対極だと言い換えた方がわかりやすいでしょうか。
恐れと癒しが共存することは、ありえないのです。
「痛み」も恐れを感じさせるひとつです。
僕が痛いマッサージが好きではない理由は、そこにあります。
恐れを感じている人に癒しは絶対に訪れないのです。
そして、恐れは依存をつくります。
「人を支配するには相手に恐怖感を植え付けることだ」とは、
よく言われていることです。
でも、ただ恐怖感を植え付けるだけでは依存は生まれません。
恐怖感のあとにその恐れから解放される方法を提示すると、
人はその方法に依存したくなります。
わかりやすい例を挙げます。
むくみを改善するという名目でマッサージをして、痛がらせます。
「痛いってことは悪いことなんだ」といって、客を不安がらせます。
そのあとに、この施術を定期的に受けないと治らないと伝えます。
そして「●●回コース」の申し込みをさせる・・・。
これは大げさではなく、支配と依存の関係です。
こんなの癒しでもなんでもありません。
でもそんなやり方をしている治療院、サロンの多いこと多いこと・・・。
そしてそれはボディケアのみならず、メンタルの世界でも数多く起こっていることです。
「いまのままのあなたではダメだよ。でもこうすれば幸せになるよ」
いまのままの自分ではダメ・・・自分を否定されることに、人は強い恐怖感を感じます。
その恐怖感が怒りに変換されて出てくる人もいます。
先週から施術に入っている友人に起こった実例を紹介します。
彼女の身体を整えるための方向性として、「腎」の働きを高めることが最優先課題です。
(というか女性の心身の不調は「腎の弱り」が強く影響していることが多いです)
ここでいう「腎」とは西洋医学の「腎臓」のことではなく、東洋医学的な意味合いです。
以前の記事(6月5日「腎虚」)にも書きましたが、
「恐れ」は「腎」の働きを弱めます。
特に彼女は潜在的な「恐れ」の感情が強く、そこから解放することが1番のポイントなのです。
・・・「潜在的な」というのがポイントです。
実は自覚できていない恐れというものを多くの人は抱えていて(たぶん僕も)、
本当にそれがやっかいなのです。
そんな彼女が施術2回目の昨日、ひどい肩こりに悩まされていました。
1回目の先週より状態が悪化しています。
原因は、1冊の本にありました。
その本の著者は、
自己啓発系の本やセミナーですごく人気があり、
「知る人ぞ知る」の御方です。
昨日の「こころとからだ塾」で実名を出したら、やはり有名な御方のようでした。
僕は知らなかったけど(笑)
その御方の著書から、もんのすごい「恐れ」の波動が放出されているのです。
彼女はそれをお友達から借りて、
借りた手前ちゃんと読まなきゃと思ったらしく、
でも読んでてめまいが起こることもあったそうです。
そしてその本を枕もとに置いて寝ていた・・・。
めまいや肩こりは、からだからのサインなのです。
特に今の彼女のからだは「恐れからの解放」に向かって治癒反応が進んでいるので、
かなり敏感になっているのです。
でも、頭じゃわからないんですよ。
上にも書いたように、そういった「自覚できない恐れ」の方がやっかいなのです。
でも、自覚はできなくても、彼女のからだはそれをサインとして出してくれていた。
そのサインが「肩こり」や「めまい」だったわけですが、
彼女はそのあまりにもひどい肩こりを癒そうとマッサージにかかり、
そのマッサージ店が痛い圧をかけてくるという恐れのダブルパンチ!
まぁ確かに痛いマッサージ・効くマッサージには依存性があるので(その根底には恐れがあるのですが)、
ボディケアを「ビジネスの手段」として使っているのであれば、それはそれでアリなのかもしれませんが・・・。
で、その「恐怖のサイン」の元になっていた、自己啓発の本。
売れているくらいだから、素晴らしいことが書いてあるんでしょう。
でもたぶん、
その本には「いまのあなたじゃダメなんだよ」という目に見えないメッセージが込められているような気がします。
どんなに素晴らしい本も、素晴らしいセミナーも、
それが「いまのあなた」を否定するものであれば、
それはメッセージの中に「恐れ」が組み込まれています。
これがまた巧妙なんですよね。
「恐れ」と「解決法」がセットになっているから、人はそこに依存したくなるわけです。
そして、その発信者の側も、自分が「恐れ」を植え付けていることに気づいていません。
自覚していれば、まだ救いはありますが、そうではありません。
そこがこの問題の根深いところです。
某鍼灸院もその手法でリピーターという名の依存者を多く支配しています。
こんな偉そうなことを書いている僕も、
聴いてくれている方たちを自分の価値観に引き込みたいと思う気持ちが出てくるときもあります。
自制しないと無意識に「支配欲」が出てきてしまうのです。
でも、僕自身が安心感に包まれているときには、その「支配欲」は出てきません。
恐怖感を克服するには、安心感を得るしかないのです。
安心感や信頼感が「光」なら、恐怖感や不安感は「闇」です。
闇をなくすには、光を当てればいいのです。
どんなに深い闇も、光を当てれば一瞬で消え去ります。
闇は光に抵抗できないからです。
人を癒すのに「恐れ」は必要ありません。
ただただ「安心」と「信頼」を取り戻せばいいのです。
どうか自分を卑下しないでください。
あなたは今のあなたで充分なのですから。
どうか、自分を卑下しないでください。
そして
「いまの自分じゃいけない」
と感じさせるような本やセミナーやカウンセラーやセラピストに依存することを、
手放してみませんか。
・・・このようなことを、昨日の「こころとからだ塾」では話しました。
話すとあっという間なんですけど、文字にまとめると長いですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
**************************************
6月27日 サンビスカス沖縄主催スポーツベーシックセミナー 「キレイに立つ~歩く」
「こころとからだ塾」
毎週月曜夜8時~10時 沖縄整体専門学院コザ校
毎週日曜朝10時~12時 沖縄整体専門学院那覇校
毎週木曜夜8時半~10時 かんなタラソ沖縄
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ボディメンテナンスの記録 ⇒ 「からだとこころ」
恐れ=不安。
癒し=安心。
不安と安心が対極だと言い換えた方がわかりやすいでしょうか。
恐れと癒しが共存することは、ありえないのです。
「痛み」も恐れを感じさせるひとつです。
僕が痛いマッサージが好きではない理由は、そこにあります。
恐れを感じている人に癒しは絶対に訪れないのです。
そして、恐れは依存をつくります。
「人を支配するには相手に恐怖感を植え付けることだ」とは、
よく言われていることです。
でも、ただ恐怖感を植え付けるだけでは依存は生まれません。
恐怖感のあとにその恐れから解放される方法を提示すると、
人はその方法に依存したくなります。
わかりやすい例を挙げます。
むくみを改善するという名目でマッサージをして、痛がらせます。
「痛いってことは悪いことなんだ」といって、客を不安がらせます。
そのあとに、この施術を定期的に受けないと治らないと伝えます。
そして「●●回コース」の申し込みをさせる・・・。
これは大げさではなく、支配と依存の関係です。
こんなの癒しでもなんでもありません。
でもそんなやり方をしている治療院、サロンの多いこと多いこと・・・。
そしてそれはボディケアのみならず、メンタルの世界でも数多く起こっていることです。
「いまのままのあなたではダメだよ。でもこうすれば幸せになるよ」
いまのままの自分ではダメ・・・自分を否定されることに、人は強い恐怖感を感じます。
その恐怖感が怒りに変換されて出てくる人もいます。
先週から施術に入っている友人に起こった実例を紹介します。
彼女の身体を整えるための方向性として、「腎」の働きを高めることが最優先課題です。
(というか女性の心身の不調は「腎の弱り」が強く影響していることが多いです)
ここでいう「腎」とは西洋医学の「腎臓」のことではなく、東洋医学的な意味合いです。
以前の記事(6月5日「腎虚」)にも書きましたが、
「恐れ」は「腎」の働きを弱めます。
特に彼女は潜在的な「恐れ」の感情が強く、そこから解放することが1番のポイントなのです。
・・・「潜在的な」というのがポイントです。
実は自覚できていない恐れというものを多くの人は抱えていて(たぶん僕も)、
本当にそれがやっかいなのです。
そんな彼女が施術2回目の昨日、ひどい肩こりに悩まされていました。
1回目の先週より状態が悪化しています。
原因は、1冊の本にありました。
その本の著者は、
自己啓発系の本やセミナーですごく人気があり、
「知る人ぞ知る」の御方です。
昨日の「こころとからだ塾」で実名を出したら、やはり有名な御方のようでした。
僕は知らなかったけど(笑)
その御方の著書から、もんのすごい「恐れ」の波動が放出されているのです。
彼女はそれをお友達から借りて、
借りた手前ちゃんと読まなきゃと思ったらしく、
でも読んでてめまいが起こることもあったそうです。
そしてその本を枕もとに置いて寝ていた・・・。
めまいや肩こりは、からだからのサインなのです。
特に今の彼女のからだは「恐れからの解放」に向かって治癒反応が進んでいるので、
かなり敏感になっているのです。
でも、頭じゃわからないんですよ。
上にも書いたように、そういった「自覚できない恐れ」の方がやっかいなのです。
でも、自覚はできなくても、彼女のからだはそれをサインとして出してくれていた。
そのサインが「肩こり」や「めまい」だったわけですが、
彼女はそのあまりにもひどい肩こりを癒そうとマッサージにかかり、
そのマッサージ店が痛い圧をかけてくるという恐れのダブルパンチ!
まぁ確かに痛いマッサージ・効くマッサージには依存性があるので(その根底には恐れがあるのですが)、
ボディケアを「ビジネスの手段」として使っているのであれば、それはそれでアリなのかもしれませんが・・・。
で、その「恐怖のサイン」の元になっていた、自己啓発の本。
売れているくらいだから、素晴らしいことが書いてあるんでしょう。
でもたぶん、
その本には「いまのあなたじゃダメなんだよ」という目に見えないメッセージが込められているような気がします。
どんなに素晴らしい本も、素晴らしいセミナーも、
それが「いまのあなた」を否定するものであれば、
それはメッセージの中に「恐れ」が組み込まれています。
これがまた巧妙なんですよね。
「恐れ」と「解決法」がセットになっているから、人はそこに依存したくなるわけです。
そして、その発信者の側も、自分が「恐れ」を植え付けていることに気づいていません。
自覚していれば、まだ救いはありますが、そうではありません。
そこがこの問題の根深いところです。
某鍼灸院もその手法でリピーターという名の依存者を多く支配しています。
こんな偉そうなことを書いている僕も、
聴いてくれている方たちを自分の価値観に引き込みたいと思う気持ちが出てくるときもあります。
自制しないと無意識に「支配欲」が出てきてしまうのです。
でも、僕自身が安心感に包まれているときには、その「支配欲」は出てきません。
恐怖感を克服するには、安心感を得るしかないのです。
安心感や信頼感が「光」なら、恐怖感や不安感は「闇」です。
闇をなくすには、光を当てればいいのです。
どんなに深い闇も、光を当てれば一瞬で消え去ります。
闇は光に抵抗できないからです。
人を癒すのに「恐れ」は必要ありません。
ただただ「安心」と「信頼」を取り戻せばいいのです。
どうか自分を卑下しないでください。
あなたは今のあなたで充分なのですから。
どうか、自分を卑下しないでください。
そして
「いまの自分じゃいけない」
と感じさせるような本やセミナーやカウンセラーやセラピストに依存することを、
手放してみませんか。
・・・このようなことを、昨日の「こころとからだ塾」では話しました。
話すとあっという間なんですけど、文字にまとめると長いですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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Posted by 照喜名 弘彦 at 23:15