2023年02月07日

貧血

最近は感覚や気など東洋医学っぽい投稿ばかりだった気がするので、
たまには西洋医学っぽい投稿も。

テーマは「鉄(貧血)」

鉄が不足すると皮ふも酸素不足になり、
皮ふを再生する力が落ちてしまうので、
乾燥肌やアトピーの引き金となることもある、
みたいです。

「鉄不足=貧血」はアトピーに限らず、
こころとからだの健康づくりにおいて、
改善していきたいポイントのひとつです。

で、貧血といえば、
血液検査だとまずは「ヘモグロビン」の数値を参考にすることが多いと思います。

このヘモグロビンの数値が低いだけだと、
貧血の改善はそんなに難しくありません。

が、
「貯蔵鉄」などとも呼ばれている「フェリチン」の数値が低いと、
貧血の改善には結構時間がかかります。

イメージとしては、

ヘモグロビン=財布に入っているお金
フェリチン=通帳に入っているお金


という感じです。
財布のお金が少なくても通帳の預金残高がしっかり残っていれば、
そこまで深刻ではありません。

が、預金残高がカツカツだと、
そこから財政を立て直すのは結構大変です。

ヘモグロビンもフェリチンも、
鉄が結合しているタンパク質です。

なので鉄分の摂取だけではなく、
タンパク質の摂取量を増やすことも必要なことが多いです。

鉄の吸収を助けると言われている、
ビタミンCも。

過去にうちのお客さんで「フェリチン欠乏」が改善した例を、
ご紹介します。

その方はきつい慢性疲労があり、
病院での血液検査の結果、
貧血と診断されていました。

で、
病院で処方された鉄剤とビタミンCを服用しても、
全く改善しない。

ということで、
血液検査のデータを持参いただき、
うちの個人セッションに来られました。

ヘモグロビン&フェリチン欠乏で、
鉄剤とビタミンCを摂取するのは、
間違いではないんです。

ただそこにタンパク質も追加したい。

ですが、それ以前の問題でした。

フェリチン欠乏までいくと、
かなりの量のタンパク質摂取が必要になってきます。

平均的な食生活ではまず足りない量です。

が、胃腸がその量のタンパク質を消化吸収できるレベルになかったんですね。

その胃腸のコンディションでタンパク質の摂取量を急に増やしたら、
胃腸にダメージがきてしまいます。

なので、タンパク質摂取は先送り。

未消化タンパクはカラダに悪さをしますからね。

まずは胃腸のコンディションを調えることからスタートしました。

それに合わせて!

副腎疲労もありました。

副腎は臓器の中で最もビタミンC濃度が高い臓器だと言われています。

その副腎が疲弊しすぎていて、
その分ビタミンCも大量に必要な状態だったんですね。

病院で処方された量では足りないくらい。

ここで2つの選択肢があります。

①副腎疲労が強いので、それに合わせてビタミンC摂取量も増やす
②適度なビタミンC量で足りるように、副腎疲労を軽減させる

①はプラスの栄養学
②はマイナスの栄養学


の考え方です。

その方のカラダには、
②の方法が合っていました。

ということで、
まずは胃腸&副腎のコンディションを調えることからスタート。

しばらくその期間が続きました。

そして胃腸&副腎が元氣になってきた頃から、
タンパク質の摂取もスタート。

副腎の負担が減ってくることで、
その分ビタミンCも鉄の吸収に回せるようになります。

で、
タンパク質をどれくらい摂取すればいいのかということですが、
人によって違います。

人によって違いますが、
これまでの経験上の参考値としては。

ヘモグロビンの数値が低いだけなのと、
ヘモグロビンに合わせてフェリチンも低いのとで、
違ってきます。

ヘモグロビンが低いだけ→体重×1g
ヘモグロビン+フェリチンが低い→体重×2g


これが僕の経験則上の目安です。

例えば体重50kgの方だと、

ヘモグロビンが低いだけだと1日50g
フェリチンまで低いと1日100g

のタンパク質が必要です。

何度も書きますがこれはあくまでも僕の経験則でしかなく、
もちろん個人差もあります。

これまで僕のセッションで貧血が改善してきた方々を見てきた上での、
経験則です。

ところでタンパク質1日100gって、
すごい量なんですよ。

バリバリ鍛えているアスリート並みです。

それくらい摂らないとフェリチン欠乏はなかなか改善しない、
かもしれない。

例えば卵1個のタンパク質含有量はだいたい7gくらいです。

牛肉100gのタンパク質含有量はだいたい17gくらいです。

タンパク質100gって、
卵だけだと15個くらい、
牛肉だけだと600gくらい、
摂らなきゃいけないんです。

アンビリーバボーやで。

準備も大変だしお金も大変だし、
それを消化吸収しなきゃいけない胃腸も大変です。

なので、
僕はプロテインのサプリメントをオススメしています。

もちろん安易にサプリに頼らずに、
まずは食事の質を高めることが理想ですよ。

が、フェリチン欠乏までいくと、
現実的に考えて、
サプリを使った方がいろんな意味で効率的です。

サプリ嫌いな指導者も多いですけど、
お金・時間・手間・労力・・・そこまで考えたときに、
食事だけで1日100gのタンパク質を毎日摂取しろなんて、
僕には言えません。

もちろんプロテインのサプリもお金かかりますけどね。

で、フェリチン欠乏になってしまっているということは、
かなりの確率でそれまで慢性的にタンパク質の摂取量が少なかったと考えられます。

そういう人にいきなり1日100gの摂取を勧めるのは、
危険です。

胃腸にかかる負担を考えると、
急激に摂取量を増やすのはリスキーなんです。

なので、
最初は少量からスタート。

で、段階を追って、
体重×2gの摂取量に持っていきます。

胃腸のコンディショニングも並行して行っていきます。

もちろんプロテインサプリならなんでもいいというわけではなく、
その人のカラダに合ったものがいいです。

栄養に詳しい人が推奨しているサプリだからといって、
万人に合うとは限りません。

アタマで納得できる質ではなく、
カラダが受け入れる質を選びたいです。

結果として、このような過程を踏んで、
その方はフェリチン欠乏が改善し、
もちろんヘモグロビン数値も正常値になり、
貧血が改善しました。

流れとしては、

①病院処方の鉄剤&ビタミンCを摂取しながら、
胃腸&副腎ケア(2か月)

②鉄剤&ビタミンCに合わせて、
プロテインサプリの摂取もスタート

③徐々にタンパク質摂取量を増やしていき、
プロテイン摂取スタート3か月目くらいで、
体重×2gのタンパク質摂取に到達(胃腸のケアも継続的に行いながら)

④体重×2gのタンパク質摂取になってから丸3か月で、
フェリチン欠乏改善

という流れでした。

もちろん個人差があることは大前提です。

が、フェリチン欠乏を改善するためには、
これくらいの期間(半年~1年くらい)は本腰を入れて取り組む必要があります。

フェリチン数値を改善していくにあたっては、
栄養補給だけではなく、
フェリチンを蓄えるとされている肝臓・小腸・脾臓などの内臓コンディショニングも必要だと感じています。

で、元の食生活習慣が原因で、
フェリチン欠乏にまでなってしまったのですから。

その方には貧血が改善してからも、
体重×1gのタンパク質摂取を継続してもらうよう、
お伝えしています。

ということで、
貧血でお悩みの方がいれば、
まずは血液検査をやってみて、
ヘモグロビンだけではなくフェリチンの数値も検査してみることをオススメします。

そして貧血を改善したいけど、
なにからはじめたらいいのかわからない、
という方は、ご相談くださいね。

ではでは、ありがとうございました。

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Posted by 照喜名 弘彦 at 10:29 │健康の土台づくり